| 室町時代に建てられた由緒ある奥沢神社。車の通行が多い自由通りに面していますが、境内はこんもり茂った樹木に囲まれ、森のなかのように静かで落ちつきます。鳥居をくぐるとき、ちょっと注目。一見不気味だけれどよく見ると、まんまるい大きな瞳で鼻の穴をひろげた、ちょっと笑える愛くるしい大蛇がいるんです。神社の縁起によると、昔この地の名主の夢枕に神さまがお立ちになり、ワラで大蛇を作って村を練り歩き、病魔を退散せよというお告げがあったそう。それがはじまりで『大蛇お練り』は、江戸時代からつづく伝統行事となりました。世田谷区の無形民族文化財にも指定されているんですよ。毎年9月の例大祭の一週間前に、氏子が集まり大蛇づくりがはじまります。全長10メートル、ワラで作られているといっても、重さは150キロほどにもなるそうです。それを例大祭の初日に、厄除開願を願って地元住民がかついで町内を練り歩きます。同時に大蛇づくりで使ったワラを、一年間のお守りとして配っているんですよ。町内をひとまわりした後、大蛇は社殿に一年間まつられ、翌年の一年間は鳥居の上から私たちを見守ってくれます。まちの小さな神社ですが、地元住民の氏神さまとして大きな存在であり、こころの癒しの場として親しまれています。 |